とびひ

百科事典マイペディア 「とびひ」の意味・わかりやすい解説

とびひ

伝染性膿痂疹(のうかしん)の俗称ブドウ球菌連鎖球菌などの化膿球菌の感染による。夏季小児顔面四肢紅斑を生じ,数時間後に水疱(すいほう)を形成する。大きさはアズキ大〜母指頭大で,内容は淡黄色透明から後に膿様となり痂皮を形成。水疱が破れて内容物が他にふれると伝染する。抗生物質の外用または内服により数日で治癒(ちゆ)。→膿痂疹

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「とびひ」の意味・わかりやすい解説

とびひ
とびひ / 飛火

ブドウ球菌性伝染性膿痂疹(のうかしん)(水疱(すいほう)性膿痂疹)の俗称で、黄色ブドウ球菌が表皮内に感染して生ずる皮膚疾患。夏季、幼小児に多く、全身至る所の皮膚に大小さまざまの水疱を生じ、水疱はやがて膿疱となるが、容易に破れてびらん面となる。水疱の内容液やびらん面の滲出(しんしゅつ)液が皮膚に付着すると新しい水疱を生じ、また他人にも伝染するところから、とびひとよばれる。

[野波英一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「とびひ」の意味・わかりやすい解説

とびひ
impetigo contagiosa

伝染性膿痂疹の俗称。化膿性皮膚疾患 (膿皮症) の一つでブドウ球菌や連鎖球菌などの化膿球菌の感染による。湿潤性の丘疹,小紅斑が現れて急速に増大し,水疱あるいは膿性水疱となる。被膜は薄く,容易に破れてびらん状となり,のちに痂皮 (かひ) を形成する。組織学的には角質層下膿疱で,発疹はしばしば全身的に生じるが,全身状態は特に侵されない。あらゆる年齢層がかかるが,特に小児に夏季多発し,接触伝染する。

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