ぞも(読み)ゾモ

デジタル大辞泉 「ぞも」の意味・読み・例文・類語

ぞ‐も

[連語]係助詞「ぞ」+係助詞「も」。古くは「そも」とも》
文中にあって、その付く語を感動を込めて強く示す意を表す。「これ」を受ける文末活用語原則として連体形をとる。…はまあ。
「いかにある布勢ふせの浦―ここだくに君が見せむとわれを留むる」〈・四〇三六〉
多く文末にあって、疑問の意を表す語とともに用いられ、感動を込めて強く示す意を表す。(いったい)…かなあ。
うちわたすをちかた人に物申すわれそのそこに白く咲けるは何の花―」〈古今雑体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぞも」の意味・読み・例文・類語

ぞ‐も

(係助詞「ぞ」と「も」とが重なったもの。古くは「そも」)
① 文中の連用語を受けて強める。これと関係を結ぶ活用語は連体形をとる。→補注
万葉(8C後)一〇・二一二三「吾(あ)が待ちし秋は来りぬ然れども萩の花曾毛(ソモ)いまだ咲かずける」
② 文末にあって強めと感動の意を表わす。
※万葉(8C後)八・一四二〇「沫雪かはだれに零(ふ)ると見るまでに流らへ散るは何の花其毛(そモ)
源氏(1001‐14頃)竹河「何ぞもぞ、などさうどきて侍従はあるじの君にうちかづけて往ぬ」
[補注]文中用法の「も」の働きは間投助詞的である。

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