すっぽ抜(読み)すっぽぬけ

精選版 日本国語大辞典 「すっぽ抜」の意味・読み・例文・類語

すっぽ‐ぬけ【すっぽ抜】

〘名〙
① すっぽりと抜けること。また、はまっていた物やあてにしていたことなどが、まったくはずれてしまうこと。
※雑俳・雪の笠(1704)「ふじの山・あふみのうみのすっぽぬけ」
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所「敬太郎は一人で斯う考へて、何処へでも進んで行かうと思ったが、又一方では、もうすっぽ抜(ヌ)けの後の祭の様な気がして」
② すっかり忘れること。
③ そこにいるはずの者がこっそりと抜け出すこと。
譬喩尽(1786)八「角(スッポヌケ)に為遇」

すっぽ‐ぬ・ける【すっぽ抜】

〘自カ下一〙
① 何かの拍子に、はまっていた物や入れていた力などが完全に抜けてしまう。すっかりはずれる。
② すっかり忘れる。全く忘れる。
③ そこにいるはずの者がこっそりと抜け出す。仲間からひそかに抜け出す。
※俳諧・庵の記(1707)「羨し凩の世をすっぽぬけ〈九派〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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