くらわんか

改訂新版 世界大百科事典 「くらわんか」の意味・わかりやすい解説

くらわんか

江戸時代大坂淀川を上下する乗合船船客に,酒や食物などを売った煮売船をくらわんか船といい,この商売に用いた下手な染付飯茶碗の類を〈くらわんか〉と呼ぶ。〈飯くらわんか〉との呼び声から生じた俗称という。伊万里焼の粗製磁器という説もあるが,19世紀に入ると全国各地で磁器が焼かれるようになり,おおむね伊万里風であるところから,その判断はむずかしい。おそらく,畿内の産であろう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報