いん石(読み)インセキ

化学辞典 第2版 「いん石」の解説

いん石
インセキ
meteorite

地球外から地球上に到達する固体物体.いん石を大別すると次の3種類となる.
(1)いん鉄:主としてニッケル-鉄の金属相からなるもの.ニッケルの量は5~20%.6% 以下で六面体晶,6~14% で八面体晶,12% 以上で塊状となる.
(2)石鉄いん石:金属相とケイ酸塩相とをほぼ等量含んでいる.
(3)石質いん石:主としてケイ酸塩相からなり,金属相は25% 以下.いん石に特有な硫化物相トロイライト(FeS)が存在する.石質いん石は,ケイ酸塩相に球粒組織があるコンドライトと球粒組織のないアコンドライトが存在する.
落下を目撃されたいん石は,(1)が6%,(2)が2%,(3)が92% であるが,(3)のうちコンドライトが83% である.これらのいん石は,すべて太陽系に属する天体から飛来するものと考えられ,42 km s-1 よりも小さな速度地上に落下する.いん石の源泉は小惑星と考えられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報