いずれ菖蒲か杜若(読み)いずれあやめかかきつばた

ことわざを知る辞典 「いずれ菖蒲か杜若」の解説

いずれ菖蒲か杜若

どちらも同じようで、区別がつけ難いこと。また、優劣がつけ難く、一つを選ぶのに迷うこと。

[使用例] あの人たち二人とも美人だから、男の子にもてて、もてて、日曜日って忙しいのよ、きっと。いずれをあやめかきつばた、だったもの[有吉佐和子*処女連祷|1957]

[解説] 「あやめ」と「かきつばた」は同じアヤメ科に属する花で区別がつきにくいところからいうことば。古くは「いずれ菖蒲」の形で用いられていました。これは、源頼政がぬえ退治褒美として菖蒲あやめのまえという美女を賜るにあたり、同じような美女一二人の中から見つけ出すよう命じられた時に詠んだ和歌五月雨に沢べのまこも水越ていづれあやめと引きぞわづらふ」(「太平記―二一」)によるとされています。「あやめ」と「かきつばた」を並べる形では二者の区別ないしは二者択一が難しい、「いずれ菖蒲」の形では複数から一つを選ぶのが難しいという意味合いが強くなります。

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