『蒲団』(読み)フトン

とっさの日本語便利帳 「『蒲団』」の解説

『蒲団』

田山花袋
小石川切支丹坂から極樂水に出る道のだらだら坂を下りようとして渠は考えた。『これで自分彼女との関係一段落を告げた。三十六にもなって、子供三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿々々しくなる。けれど……けれど……本当にこれが事実だろうか。あれだけの愛情自身に注いだのは単に愛情としてのみで、恋ではなかったろうか』\(一九〇七)

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