排蘆小船(読み)あしわけおぶね

改訂新版 世界大百科事典 「排蘆小船」の意味・わかりやすい解説

排蘆小船 (あしわけおぶね)

本居宣長歌論書。成立年は不詳だが,宣長の京都遊学時代(22~26歳)に成ったかとされる。歌論の処女作である。問答体和歌に関する諸問題を論じているが,歌の本質を,政治からも修身からも自由な心の所産とした,つまり,文芸の自律性を最重視した点で革新的な歌論であった。のちに,宣長は,《石上私淑言(いそのかみのささめごと)》(1763)でこの考えをさらに深化精密化してゆく。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android