ITBL(読み)あいてぃーびーえる(英語表記)Information Technology Based Laboratory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ITBL」の意味・わかりやすい解説

ITBL
あいてぃーびーえる
Information Technology Based Laboratory

全国の公的研究機関、国立大学などにあるスーパーコンピュータを高速通信回線で結び、国内で最大規模で最高速の情報処理システムを構築する、文部科学省計画名称。2001年度から5年間で250億円を投じ、国立大学、筑波研究学園都市内の国立研究所、国立遺伝研究所など31機関にあるスーパーコンピュータを毎秒2.4ギガビットの高速回線で結び、全国どこからでも利用できるようにするという計画であった。初年度から参加した機関は、物質・材料研究機構、防災科学技術研究所、宇宙航空研究開発機構(旧航空宇宙技術研究所)、日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)、理化学研究所、科学技術振興機構(旧科学技術振興事業団)の6機関で、日本原子力研究開発機構・関西光科学研究所の共同利用センター(ITBL棟)に共同利用スーパーコンピュータを導入(当時は日本原子力研究所関西研究所)。この計画は2005年度で終了したが、プロジェクトによって構築されたITBL仮想研究環境は、その後も多くの研究者により継続して運用されている。ITBLは巨大なコンピュータとしてもデータセンターとしても利用できるので、遺伝情報もとにした医薬品の開発、世界規模の天気予報、経済問題など、莫大(ばくだい)な計算が必要な研究に威力を発揮する。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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