EHESS(読み)ウーアッシュウーエスエス

大学事典 「EHESS」の解説

EHESS[仏]
ウーアッシュウーエスエス

フランスの高等教育機関で,「社会科学高等研究院(フランス)」と訳されることが多い。1975年1月25日の政令によって設立されたEHESSは,1947年に創設された高等研究実習院(フランス)(École pratique des hautes études: EPHE)の第六部門を前身としている。EPHEは第二帝政下の1868年に,当時の公教育相ヴィクトル・デュルイの発意によって,ドイツのゼミナールの制度をモデルとして創設された。発足時には第一部門の数学,第二部門の物理学・化学,第三部門の自然科学・生理学,第四部門の歴史学・文献学からなり,1886年に第五部門として宗教学,1947年に第六部門として経済・社会科学が加わった。今日EHESSは修士課程以上の学生を受け入れる大学院大学としての機能を有し,学問領域や研究方法の学際性,横断性を重視しつつ,600人以上の教職員,約3000人の大学院生(うち半数は外国から),5500万ユーロの予算(2017年度)をもって運営されている。数多くの研究センターを基盤に教育研究が行われ,その領域は人文社会科学の幅広い分野に及んでいる。
著者: 白鳥義彦

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報