CSF(豚熱)(読み)しーえすえふ(ぶたねつ)(英語表記)Classical swine fever

知恵蔵mini 「CSF(豚熱)」の解説

CSF(豚熱)

CSFウイルスによって起こる豚、いのししの熱性伝染病。かつては「豚コレラ」と呼ばれていたが、人が感染するコレラとは全く異なる病気のため、国際的に「CSF=Classical swine fever」という呼称となった。強い伝染力と高い致死率が特徴で、感染した豚は唾液、涙、糞尿などの中に同ウイルスを排泄し、これに接触するなどして感染が拡大する。治療法はなく、発生した場合の家畜業界への影響が大きいことから家畜伝染病予防法の中で「家畜伝染病」に指定されている。人に感染することはなく、感染した豚やいのししの肉や内臓を食べても人体に影響はない。日本では、食肉用の豚は「と畜場法」に基づき、全頭、自治体の畜検査員が異常や疾病がないかを検査しており、感染した豚肉が販売されることはない。養豚場などで感染が確認された豚は殺処分される。

(2020-10-13)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報