鶏鉾町(読み)にわとりぼこちよう

日本歴史地名大系 「鶏鉾町」の解説

鶏鉾町
にわとりぼこちよう

下京区室町通四条下ル

南北に通る室町むろまち(旧室町小路)を挟む両側町。

平安京の条坊では左京五条三坊一保八町東側及び同四保九町西側、平安中期以降は四条室町小路南の地。「清眼抄」に「後清録記云、応保三年癸未二月十七日(中略)参四条宰相四条南。室町東」とあり、応保三年(一一六三)には藤原親隆の邸が当町東つらに所在。また「吉記」寿永元年(一一八二)二月二三日条に、

<資料は省略されています>

とあり、治承元年(一一七七)の鹿ヶ谷事件で備前配流となって殺された大納言藤原成親の旧宅が当町付近に所在し、当時は親隆邸になっていた。四条宰相親隆は既に永万元年(一一六五)に没しているが、親隆の娘が成親の室となっており、彼女が相続していたと考えられる。なお東隣には源宗雅邸、左馬允有道邸などがあったことも知られる。

応永三二年(一四二五)の酒屋交名(北野天満宮史料)に記載のある「四条室町南西頬、祐善」は当町在住の酒屋であった。「祇園会山ほこの次第」(祇園社記)によると、応仁の乱前の前祭さきのまつりに、「庭とりほく 綾小路室町ト四条間」と当町から鶏鉾を出し、また乱後の明応九年(一五〇〇)に復興された時も、前祭に「廿五番、にわ鳥山 四条室町とアヤノ小路トノ間也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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