鬢張(読み)びんはり

精選版 日本国語大辞典 「鬢張」の意味・読み・例文・類語

びん‐はり【鬢張】

〘名〙 江戸時代婦人が鬢に張りを持たせるために、その内側に入れたもの。鯨のひげ針金などで作った。上方での称で、江戸では鬢差(びんさし)と呼んだ。〔松翁道話(1814‐46)〕

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世界大百科事典(旧版)内の鬢張の言及

【髪形】より

…髷の中の笄を引き抜くと髷がほどけ垂髪の状態になり,平安時代以来の垂髪の伝統をのこしている。江戸後期は鬢中心の時代で,髱と前髪は目立たぬ髪形となり,鬢には安永(1772‐81)ころ,鬢張(びんはり)というものが工夫され,横に大きく張り出した灯籠鬢が流行した。この派手な鬢とともに,髷も多岐にわたり,島田髷も文金島田,つぶし島田,きりずみ島田などが結われ,勝山髷も前期の細い髷から,大きな幅広の髷に変わった。…

※「鬢張」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」