高鍋(読み)たかなべ

改訂新版 世界大百科事典 「高鍋」の意味・わかりやすい解説

高鍋[町] (たかなべ)

宮崎県中部,児湯(こゆ)郡の町。人口2万1733(2010)。小丸(おまる)川河口付近に位置し,東は日向灘に面する。古くは財部たからべ)と称し,近世以後高鍋藩秋月氏3万石の城下町となり,1673年(延宝1)高鍋と改称した。1778年(安永7)に藩校明倫堂が開設され,初めは漢学研究を中心にしていたが,幕末には国学,洋学,医学の3科が加えられた。海岸沿いにJR日豊本線,国道10号線が通る交通の要地で,江戸時代から商業が盛んである。農業は畑作が中心で野菜,果樹タバコ,茶などを産するほか,畜産も行われる。近年,化学工業や酒造などの工場が進出し,工業生産が伸びており,人口も増加している。高鍋城跡舞鶴公園となっており,園内に天然記念物のクスの巨木がある。小丸川北岸には持田古墳群(史)がある。
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