高向郷(読み)たかぶくごう

日本歴史地名大系 「高向郷」の解説

高向郷
たかぶくごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに「高田」と記すが高向の誤りであろう。高山寺本は「多加无古」の訓を付す。寛元五年(一二四七)三月八日と考えられる紀氏子戸田売券(光明寺古文書)には「たかふくのかう」とある。「伊勢二所皇太神宮神名秘書」には豊受宮摂社の宇須乃野うすのの社の鎮座地を「在高向郷高向村」と記す。「外宮神領目録」には諸郷祭料として「一石六斗高向郷」、「神鳳鈔」には「高向郷」とある。正応二年(一二八九)一一月日の領家某塩浜売券(太田文書)には「高向郷長屋御厨内塩屋御園」、永享四年(一四三二)一二月一五日の木下尚重所領検断職売券(同文書)には「高向郷内大塩屋御薗」があり、大塩屋おおじおや御園は同八年の新左衛門後室塩浜売券(同文書)によれば箕曲みのわ郷にもわたっている。

高向郷
たかむこごう

「和名抄」東急本は「多加無古」と訓ずる。「日本書紀」継体天皇即位前紀に「高向に帰寧ひがてらに」とあり、続けて「高向は、越前国の邑の名なり」とし、「釈日本紀」は同天皇について「上宮記」を引いているが「多加牟久村」と記す。天平神護二年(七六六)一〇月二一日付越前国司解(東南院文書)にも郷名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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