駆違・駈違・掛違(読み)かけちがう

精選版 日本国語大辞典 「駆違・駈違・掛違」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ちが・う ‥ちがふ【駆違・駈違・掛違】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 馬を走らせて互いにすれ違う。また、走って互いにすれ違う。
太平記(14C後)八「騎馬の兵多ければ、懸違(カケチガヒ)懸違敵を中に取籠めんとす」
② ゆきちがいになる。「かけちがいまして」などの形で久しぶりに会った時のあいさつ語としても用いる。
※歌舞伎・百千鳥鳴門白浪(1797)大序「神前より御機嫌伺ひの為、御旅館へ参りしゆゑ、かけ違ひましたと相見えまする」
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉四四「貴女がお賤さんでございますか、駈違ってお目に掛りませんが」
物事が一致しなくなる。くいちがう。
星座(1922)〈有島武郎〉「余りに人々と自分との考へ方はかけちがってゐる」
[2] 〘自ハ下二〙
① (室町時代頃からヤ行にも活用した) (一)①に同じ。
※太平記(14C後)三九「追廻(をひまはし)懸違(カケチガ)へ、喚(をめ)き叫(さけん)で戦ふ声」
② (一)②に同じ。
※俳諧・誹諧独吟集(1666)上「夜の雨にぬるるも恋慕心にて かけ違へたるかねごとぞ憂〈令徳〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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