馬路(村)(読み)うまじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬路(村)」の意味・わかりやすい解説

馬路(村)
うまじ

高知県東部、安芸(あき)郡にある村。奈半利(なはり)川、安田川上流の山村。徳島県と接する。日本でも最多雨地(魚梁瀬(やなせ)の年降水量約4000ミリメートル)の一つで、近世、藩政林として保護され、現在も国有林が占める割合が高く、林業従事者が多い。樹齢300年近いヤナセスギの林立する千本山(せんぼんやま)林木遺伝資源保存林もある。海岸の木材の集散地田野、奈半利両町へは森林鉄道(1911~1960)が通じていたが、トラック輸送にかわった。現在は観光用の森林鉄道が復原されている。平家集落の伝承のある魚梁瀬は、ダムの湖底に没した。ユズ栽培やユズ加工品、木工品の製造が盛んである。金林寺(こんりんじ)には鎌倉時代初期の不動明王、毘沙門(びしゃもん)天の立像、薬師堂(国指定重要文化財)がある。面積165.48平方キロメートル、人口745(2020)。

[大脇保彦]

『『馬路村史』(1966・馬路村)』


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