餌取(読み)えとり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「餌取」の意味・わかりやすい解説

餌取
えとり

奈良時代から戦国時代にかけて、鷹狩(たかがり)に使う鷹や猟犬屯倉(みやけ)の番犬などの餌(えさ)にするため牛馬をほふって肉を採取して上納したり、皮革、肉を商ったりした人々をいう。律令(りつりょう)制では兵部省主鷹司(ひょうぶしょうしゅようし)の末端に属して任務に従事したが、律令制解体につれて官を離れ、賤視(せんし)を受けつつも広く民間で活動して、その技術を後世に伝えた。「恵止利(えとり)」「穢取(えとり)」とも表記されたが、正しくは「餌取」である。

[横井 清]

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