飾磨庄・飾万津別符(読み)しかまのしよう・しかまつべつぷ

日本歴史地名大系 「飾磨庄・飾万津別符」の解説

飾磨庄・飾万津別符
しかまのしよう・しかまつべつぷ

古代からの瀬戸内海交通の要衝である飾万津(飾磨津)を中心とした庄園・別符。鎌倉時代頃まで飾磨庄、南北朝時代頃からは飾万津別符(飾摩津別符)とみえる。現姫路市の夢前ゆめさき川河口左岸付近に比定される。

〔飾磨庄〕

「水左記」の永保元年(一〇八一)一一月二四日の条に「此日薬師寺解状一通播磨国餝磨庄訴申法勝寺薬師堂材木曳夫事、付蔵人弁基綱令奏」とあり、奈良薬師寺は寺領の飾磨庄に法勝ほつしよう(現京都市左京区)薬師堂材木引夫が課されたため、これを訴えている。仁安二年(一一六七)と推定される九月一一日の左大弁雅頼書状(陽明文庫蔵兵範記裏文書)にも薬師寺領としてみえる。薬師寺領飾磨庄との関係は未詳だが、一二世紀末頃までに作成された中院流家領目録案(久我家文書)に「餝磨庄」がみえ、当時中院流久我家領であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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