食物・食者(読み)くわせもの

精選版 日本国語大辞典 「食物・食者」の意味・読み・例文・類語

くわせ‐もの くはせ‥【食物・食者】

〘名〙
① 食べさせるもの。たべもの。餌(え)
浮世草子・国姓爺明朝太平記(1717)四「虎にも土餌計(ばかり)にて、あくびばかりしておりしに、よいくはせ物が沢山にとれました」
② 見かけはよいが、実質はさほどでないもの。表示と内容のちがうもの。まやかしもの。ごまかしもの。にせもの。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉古物屋「中々以て元祿屋の喰はせ物と一緒になりませんナ」
③ 特に、人について、表面はさりげなく見せていて、その実、ゆだんのならない者。能力や身分、名などをいつわって他をだましている者。
狂歌・狂歌糸の錦(1734)「くはせもの三河あたりの旅芝居にたりや似たりようあやめさま」
④ 素人を装っている売春婦
洒落本・契国策(1776)中「さげ重、おどり子、つり物、くわせ物、しょふべん組」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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