顕国神社(読み)けんこくじんじや

日本歴史地名大系 「顕国神社」の解説

顕国神社
けんこくじんじや

[現在地名]湯浅町湯浅 大宮通

市街地北東部にあり、祭神大国主おおくにぬし命。旧村社。江戸時代は湯浅・別所べつしよ青木あおき山田やまだ(現湯浅町)の四ヵ村の産土神であった。湯浅一族の守護神として湯浅宗重が、(現湯浅町)の大国主明神を現在地へ勧請して創建されたと伝える。もと国主くにし神社と称したが、和歌山藩主徳川頼宣は寛文年中(一六六一―七三)顕国大明神の社号を贈り、藩儒李梅渓に鳥居扁額を書かせた(続風土記)。その後歴代の藩主も多く参拝している。延享四年(一七四七)には禁殺生の制札が下された。社役は昔より湯浅ゆあさ深専じんせん寺の支配下にあり、寺中の東の坊がつとめていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の顕国神社の言及

【湯浅[町]】より

…藩の保護を受けてしょうゆ醸造業が栄え,径山寺(きんざんじ)みそとともに特産として知られた。湯浅氏の湯浅城跡が青木に,湯浅宗重が一族の守護神としてまつったという顕国(けんこく)神社が湯浅にある。なお高山寺の明恵(みようえ)は湯浅一族の出身で,栖原(すはら)には明恵ゆかりの施無畏(せむい)寺があり,古文書を蔵する。…

※「顕国神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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