頸椎症と高齢者

六訂版 家庭医学大全科 「頸椎症と高齢者」の解説

頸椎症と高齢者
(脳・神経・筋の病気)

 頸椎の退行性の変化は加齢に伴って起こるため、頸椎症の多くは中高年者に発症します。頸椎は重い頭を支え、前後左右への運動が激しいため、加齢による変化が比較的強く現れやすい部位です。年をとると椎体骨(ついたいこつ)ふちには骨棘(こつきょく)が形成され、扁平化するとともに、椎間板は水分含有量が減って弾性が低下し、後方に突出するようになります。また後縦靭帯(こうじゅうじんたい)黄色(おうしょく)靭帯にも肥厚や石灰化などの変化が起こります。

 これらの変化のために頸椎脊柱管(けいついせきちゅうかん)が狭くなって、脊髄(せきずい)、神経根が圧迫されたり、前脊髄動脈、根動脈の循環障害が生じてさまざまな症状が現れることになります。このような加齢による頸椎の変化は40歳以上の人ではかなりの頻度でみられますが、症状がまったくない人もいます。

 高齢者の上肢のしびれの原因としては脳卒中糖尿病性ニューロパチーなどもありますが、頸部の痛みや肩こりを伴い、感覚障害が前腕や一定の指に限られている場合は頸椎症が疑われますので、整形外科や神経内科の医師に相談してみてください。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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