霜を履んで堅氷至る(読み)しもをふんでけんぴょういたる

精選版 日本国語大辞典 「霜を履んで堅氷至る」の意味・読み・例文・類語

しも【霜】 を 履(ふ)んで堅氷(けんぴょう)(いた)

霜をふんで歩く季節を経て、氷が堅く張る厳冬の季節に達する。何事徴候が現われてから、その後に実際のできごとが起こるというたとえ。
町人嚢(1692)一「『霜を踏んで堅き氷(ヒ)到る』とのたまひしも、小悪則大悪と成る心也」 〔易経‐坤卦〕

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故事成語を知る辞典 「霜を履んで堅氷至る」の解説

霜を履んで堅氷至る

物事には前兆があることのたとえ。また、前兆があったら、やがて起こることに対する準備をせよ、ということ。

[使用例] 妖怪を愛し、鬼気を好み、発狂を怖れ、ついに自殺してしまった。霜を履んで、堅氷至るの感なきをえない[荒正人*漱石・鷗外・龍之介|1954]

[由来] 「易経こん」に出て来る、占いのことば。「霜を履んで堅氷至る(霜を踏んで歩いているうちに、やがて堅い氷の張る季節がやって来る)」と掲げて、ものごとの前兆に気をつけるように、注意しています。

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