電気集じん器(読み)デンキシュウジンキ

化学辞典 第2版 「電気集じん器」の解説

電気集じん器
デンキシュウジンキ
electrical dust precipitator

コロナ放電によって発生したイオンを,粉じん粒子に付着させ,集じん電極で捕集する乾式集じん器.イオンによらない誘電作用を利用するものもある.工業的に広く利用されているコットレル集じん器では,放電極として負極を用いているので,負イオンだけでなく,自由電子も荷電作用にあずかるから正極コロナに比べて荷電量は50% 大となる.【】気体中の粉じん濃度の測定に用いられる集じん器の一種.原理的には工業的に使われている電気集じん器とまったく同じで,高電圧の電極間に含じん気体を通過させ,微粒子に電荷を与えて一方の電極に集める.円筒形容器の外筒壁を正極とし,筒の中心軸にそって金属線をはり,負極とする.筒壁の内側にそって集じん受け用アルミニウムはく製の円筒を挿入する.このアルミニウムはくに沈積した粉じんをひょう量し,これと通気量とから粉じん濃度が求められる.この集じん器は集じん効率がよく,通気抵抗の時間的変化が小さいなどの利点があるが,高価である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報