陶朱の富(読み)とうしゅのとみ

故事成語を知る辞典 「陶朱の富」の解説

陶朱の富

巨万の富をいうことば。また、大金持ちのこと。

[使用例] 李小二は、陶朱の富を得た。たまたま、その仙人に遇ったと云う事を疑う者があれば、彼は、その時、老人に書いて貰った、四句の語を出して示すのである[芥川龍之介*仙人|1915]

[由来] 「史記―貨殖伝」に見える逸話から。紀元前五世紀、春秋時代の中国でのこと。「会稽の恥を雪ぐ故事で活躍した、えつの国の大臣はんれいは、王のこうせんは平和な時代に仕えるべき君主ではないと見抜き、越を去りました。やがて、彼は、とうという町で朱公と名乗り、商売をして大成功、莫大な富を蓄えました。そのため、「財産について話題にする人は、『皆、陶朱公を称す(みんな、陶の朱公を称賛した)』」ということです。

[解説] 「猗頓の富猗頓は、陶朱公から教えを受けて財産を築いた人物です。

〔異形〕陶朱猗頓の富。

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