阿豆佐味天神社(読み)あずさみてんじんしや

日本歴史地名大系 「阿豆佐味天神社」の解説

阿豆佐味天神社
あずさみてんじんしや

[現在地名]瑞穂町殿ヶ谷

多摩郡の式内社で、「延喜式」神名帳に「阿豆佐味天神社」とみえる小社。現在の祭神は主神に少彦名命、相殿に大己貴命・素盞嗚尊を祀る。旧郷社。上総介高望王の創建にかかるという伝承があるが、式内社なので高望王の時代以前から鎮座していたことは確実で、右伝承は採用できない。殿ヶ谷とのがやを含む狭山の南麓は中世のころ村山郷を称し武蔵七党のなかの村山党の根拠地であり、村山党は桓武平氏の後裔を称していたので、当社の創建をその上祖高望王とする潤色がなされるようになったのであろう。なお立川市西砂にしすな町に鎮座する阿豆佐味天神社は寛永六年(一六二九)に殿ヶ谷の当社を勧請したものである。「福生町誌」所載の修復棟札に「文明十四年四月 神主宮崎右衛門定吉 大工多摩郡福生村住人孫五郎定仗」とあり、文明一四年(一四八二)四月に社殿を修復したことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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