閾・閫(読み)しきみ

精選版 日本国語大辞典 「閾・閫」の意味・読み・例文・類語

しきみ【閾・閫】

〘名〙 門戸内外区別のために下に敷く横木。門や家屋入口の横木。また、敷居をもいう。戸閾(とじきみ)しき
古事記(712)下「女鳥の王の坐す所に直(ただ)に幸でまして、其殿戸の閾(しきみ)の上に坐しき」
徒然草(1331頃)一八五「馬をひき出させけるに、足をそろへてしきみをゆらりとこゆるを見ては」
[語誌]後に「しきゐ(敷居)」というようになるが、この交替には、意味的に対応する「かもゐ(鴨居)」が影響したと考えられる。「しきゐ」には、古くから、敷物座席という意味があったが、それが使われなくなってきたことが、「…み」から「…ゐ」への交替を可能にしたと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報