長野田村(読み)ながのだむら

日本歴史地名大系 「長野田村」の解説

長野田村
ながのだむら

[現在地名]小松市長田町ながだまちあけぼの町あけぼのまち

かけはし川下流右岸の平坦地で、村内を梯川支流の八丁はつちよう川が流れ、北西北陸街道が通り松並木があった。東は野田のだ村、北は荒屋あらや村。長野田と書いて「ながだ」とも発音した。中世には中野田村(長野田村)と野田村とを含む長野田郷が存在した。また中野田村内に領家方の清真・正重・包清の各名があった。元徳元年(一三二九)一二月五日の妙円名田売券(大徳寺文書、以下断らない限り同文書)に「なかのたのりやうけはうのきよさね名」とみえ、当村の領家僧妙円より村内の領家方清真名が一八貫文で売られている。貞和四年(一三四八)一二月二三日、宗源は勝阿より相伝した「中野田村領家方清真名」を一二貫文で売却している(宗源名田売券)。文和二年(一三五三)一〇月一〇日中野田村正重名内の畠四段が、長福ちようふく寺の所望により年四〇〇文の地子で屋敷地に充用されている(道澄宛行状)。同月の妙法院当知行目録案(妙法院文書)によれば、円音寺領として加賀国南白江みなみしらえ庄・北白江庄に付随して中野田があげられ、円音寺検校職を兼帯する天台妙法院門跡が知行している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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