鏡野(町)(読み)かがみの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鏡野(町)」の意味・わかりやすい解説

鏡野(町)
かがみの

岡山県北部、苫田(とまた)郡にある町。津山盆地西部の農山村。1952年(昭和27)芳野(よしの)、大野、小田中谷、香々美(かがみ)南、香々美北の6村が合併して成立。1955年郷(ごう)村を編入。2005年(平成17)富村(とみそん)と奥津町(おくつちょう)、上斎原村(かみさいばらそん)と合併、新しい鏡野町となった。古代の香美郷(かがみのごう)、中世の香美荘(しょう)。町名は、6~7世紀に居住した鏡作部(かがみつくりべ)の伝説や、条里遺構が顕著な沃野(よくや)にちなむという。北部は中国山地の山間地帯で鳥取県と接し、町のほぼ中央を吉野川が貫流し、その支流が香々美川や中谷川の流域を含む。南北に国道179号が通過し、北部では482号が分岐する。また南部の町の中心地近くに中国自動車道院庄(いんのしょう)インターチェンジ(津山市)がある。主産業は農業で、稲作果樹、野菜栽培が盛ん。また林業も行われている。恩原(おんばら)高原ではスキーやキャンプが楽しめる。奥津、大釣、のとろなどの温泉、苫田ダムによって出現した奥津湖などがある。また、上斎原には人形峠環境技術センターがある。面積は419.68平方キロメートル、人口1万2062(2020)。

[由比浜省吾]

『『鏡野町史』全2巻(1993、2000・鏡野町)』


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