精選版 日本国語大辞典 「鍋取」の意味・読み・例文・類語
なべ‐とり【鍋取】
〘名〙
① 鉉(つる)のない鍋・釜を火からおろす時、両手に持ってその縁をつまむためのもの。藁を編んで、扇形や足半(あしなか)の形につくった。また、鍋・釜の下にも敷いた。
※虎明本狂言・煎物(室町末‐近世初)「茶せんと茶わんは、はこ入あとなり、なべとりもさき、あみがさをぬひでかくるはあと也」
② (形が①に似ているところから) 冠の老懸(おいかけ)の異称。
③ 「なべとりくげ(鍋取公家)」の略。
※雑俳・柳多留‐五(1770)「あくた川鍋取りめがとおっかける」
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