金剛権守(読み)こんごう ごんのかみ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金剛権守」の解説

金剛権守 こんごう-ごんのかみ

?-? 南北朝時代能役者
観阿弥(かんあみ)(1333-84)とほぼ同時代活躍奈良興福寺に属した大和猿楽坂戸座(のち金剛座)の代表者。「申楽談儀(さるがくだんぎ)」に,京都での勧進能田舎風の芸であったとしるされている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の金剛権守の言及

【猿楽】より

…なかでも大和猿楽の四座,近江猿楽六座が名高く,ことに大和の結崎(ゆうざき)座の観阿弥世阿弥父子によって今日の能の基礎が固められるのである。
[猿楽の役者]
 当時の有名な役者たちを挙げると,〈田楽〉の一忠・花夜叉・喜阿弥・高法師(松夜叉)・増阿弥(〈田楽〉も猿楽とさして距離をおかぬものであって,世阿弥伝書にも総合的に論じられている),近江猿楽の犬王(いぬおう),大和猿楽の金春権守(こんぱるごんのかみ)・金剛権守などである。喜阿弥は音曲(謡)の名手,閑寂な能を演じ,世阿弥が少年時代に瞠目(どうもく)して観覧し,のちのちの語りぐさにしたという。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」