野津村(読み)のづむら

日本歴史地名大系 「野津村」の解説

野津村
のづむら

[現在地名]竜北町野津

東は河上かわかみ村・立神たてがみ(現宮原町)上北大野かみきたおおの村・南大野村、南は川を隔てて宮原みやはら(現宮原町)、西は鹿島かしま村・新地しんち村と接する。薩摩街道を挟んで東は山地、西は氷川の沖積平野である。東部の山頂には五世紀後半の前方後円墳や円墳が散在し、「火の国」の本拠に比定されている。法道寺ほうどうじ大寺の跡との伝承があり、昭和三〇年(一九五五)頃布目瓦が数片採集され、平安末期のものと推定された。年月未詳の八代庄内道前郷田数目録(阿蘇家文書)に「一所 野津村 二百三十五丁二段三丈」「一所 法道寺 二十二丁五段一丈中」とみえる。康永三年(一三四四)阿蘇惟時に与えた少弐頼尚書下写(同文書)に「肥後国八代庄内法道寺村事、守寄進状致沙汰、転読大般若経、可被祈請国家静謐、府衙繁栄之状如件、康永三年三月八日 大宰少弐花押 阿蘇社(ママ)宮司殿」とみえる。またこの地は古代の駅「高屋」にもあてられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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