邢州窯(読み)けいしゅうよう(英語表記)Xíng zhōu yáo

改訂新版 世界大百科事典 「邢州窯」の意味・わかりやすい解説

邢州窯 (けいしゅうよう)
Xíng zhōu yáo

中国,唐時代の有名な白磁窯。邢窯ともいう。その製品(邢瓷)は端渓の硯とともに天下にゆきわたっているといわれ,また名高い越州窯青磁(越瓷)とならび称された。製作地は河北省の内邱県と伝えられたが,窯址はながく確認されなかった。最近内邱県の隣の臨城県に多数の唐白磁窯址が発見され,不明だった邢州窯の実体がようやくほぼ明らかになった。製品は碗が最も多く,水注,壺などもあり,すべて純白の美しい白磁である。製作時期は唐代後期,ほぼ9世紀のころと推定されるが,開窯,閉窯の時期についてはまだ手がかりがない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「邢州窯」の意味・わかりやすい解説

邢州窯
けいしゅうよう
Xing-zhou-yao

中国,河北省 邢州内邱県近傍にあったと推定される窯およびその磁器。唐代に盛んに生産され,越州窯とともに著名。ことに白磁が名高く,肌が雪のように白くやわらかい感じが特色。一般に白無地のものが多いが,まれに文様のあるものがある。 邢州窯址は未発見で今後の研究にまつ問題が多い。日本伝来の代表的遺品に『白磁鳳首瓶』 (東京国立博物館) がある。

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