過書船・過所船(読み)かしょぶね

精選版 日本国語大辞典 「過書船・過所船」の意味・読み・例文・類語

かしょ‐ぶね クヮショ‥【過書船・過所船】

〘名〙 本来は過書、すなわち手形を持つ船の意。江戸時代では京都の宿次過書奉行(しゅくつぎかしょぶぎょう)支配のもとで、淀川の貨客輸送に就航した川船をいう。これは慶長八年(一六〇三)にさだめられた制度によったもので、初期は伏見から大坂尼崎伝法を航行したが、のち大坂天満の八軒屋までとなった。船体喫水の浅い平底の細長い伝道船(てんとうぶね)形式で、大は二百石積、小は二十石積、総数年代により増減はあるが、大小合わせて七〇〇艘前後、有名な三十石乗合船は客船である。
※禁令考‐前集・第六・巻五三・慶長八年(1603)一〇月二日「過書船公用銀并運賃之事 一大坂、転法、尼崎、山城川、伏見上下仕過書船、御公用として年中銀子弐百枚可運上事」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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