運動の知覚(読み)うんどうのちかく(英語表記)motion perception

最新 心理学事典 「運動の知覚」の解説

うんどうのちかく
運動の知覚
motion perception

運動の知覚とは,物体や自分の身体が空間内で移動する方向と速さを知覚する心理過程である。物体の動きは視覚,聴覚,触覚を通じて感知されるが,視覚の研究が最も進んでいる。視覚的運動visual movementは,刺激条件によって実際運動,仮現運動運動残効誘導運動,自動運動などに分かれる。また,運動する対象から,バイオロジカル・モーション,オプティカル・フロー,ランダムドット・キネマトグラムなどと分けることもある。

【実際運動real movement】 物が実際に空間内を動いている際に生じる運動の知覚一般を指して実際運動とよぶ。対象は非常に遅く動くときは動いて見えないし,また非常に速く動いても動きは見えない。対象の動きが見える最小の移動速度(運動速度閾velocity threshold,または運動閾motion threshold)は,明るくて周囲の静止物体が見える状態で視角1~2′/秒である。なお,視覚1°は60′(min),視覚1′は60″(sec)である。対象が動いて見える最小の移動距離(運動距離閾displacement threshold)は,中心視においては視角8″~1′程度であり,周辺視(中心から18°の偏位)では,3~4′程度である。運動距離閾は,網膜偏位retinal eccentricityの関数として50°付近まではほぼ直線的に増大し,50°における閾値は8~10′である。また,対象が速く動くとしだいに形がわからなくなり,ついにはちらつきをもった帯運動から静止して見える状態に至る。この限界(運動刺激頂upper velocity threshold)は,刺激条件によって異なるが,おおよそ視角10~30°/秒である。

⑴速さの知覚 対象の運動の速さをマグニチュード推定法によって調べた研究では,知覚速度は物理速度のベキ関数として報告されている。研究によりベキ指数には0.75~1.77の間のばらつきがあるが,多くの報告はベキ指数が0.8~1.1の間にあり,知覚速度は物理速度に近い。しかし,同じ物理速度でも移動対象の観察条件と呈示条件で見かけの速さは異なる。動く対象を目で追従する場合は,背景の一点を凝視する場合よりも1.4~1.7倍ほど速く見える(アウベルト-フライシルの逆説Aubert-Fleischl paradox)。また,一般に対象が垂直に動くときの方が水平に動くときよりも速く感じられ,対象が遠ざかる方が近づくときよりも速く感じられる。

⑵運動軌跡の知覚 刺激の呈示方法や背景パターンの存在によって,対象の運動軌跡は物理的運動と異なって知覚されることがある。等質な背景上を運動する単一刺激を追視するとき,対象が運動方向を突然変えると軌跡の内側に湾曲して見えるし,突然停止すると跳ねて戻るように見える。ポッゲンドルフ錯視Poggendorf illusionなどの幾何学的錯視図形の上を点が直線運動すると,錯視に相応して軌跡が変化して見える。運動対象が複数存在するときの例としてサイクロイド軌跡cycloidal pathが挙げられる。車輪の周縁に光点を一つ付けて暗闇で車輪を走らせると,光が跳ねているように見えるだけであるが,車輪の中心軸に光点を付加すると,車輪が回転するように見える(図1)。ここでは二つの光点の動きは,前進と回転にまとまっている。独立に動く複数の要素は,運動要素のベクトルと考えられるが,これを最小の共通運動成分と運動対象間の相対運動成分に分けるという最小原理minimum principleが視覚情報処理で働き,最も簡潔な構造が知覚される。この考えに従えば,バイオロジカル・モーションもまた最小原理の適用例といえる。

 バイオロジカル・モーションbiological motionは,生物的運動知覚(生物学的運動知覚)biological motion perceptionとよばれる。小さな光点を人間の体に取り付け,暗闇で人が動作し始めると,静止しているときには単なる光点の集まりであったものが,人間であると知覚される(図2)。この暗闇中の光点の複雑な動きは,腕は手の運動の,肩は腕の運動の,胸は肩の運動の各依拠点として働き,全体が階層的にまとまって人間の運動形態として認識される。人間の視覚系が,単に運動を検出するだけでなく,その運動から物体の形や奥行きなどの特徴を抽出し,復元していることを示す。

 2次元平面上を二つの光点が距離を変えながら動くとき,光点の運動によって3次元の構造に知覚されることがある。このような運動対象間の距離や速度の差によって遠近感や奥行き感が生じ,2次元の平面が3次元に感じられることを運動の奥行き効果kinetic depth effect,perception of motion in depthという。また,表面に点をちりばめた円筒を回転運動させ,側面から光を当ててスクリーン上に投影させた像を反対側から観察すると,静止しているときには2次元の平面図形として知覚されていた像が,動き始めると3次元的回転体として知覚される。影の動きによるこの奥行き効果は,輪郭線の長さと方向が同時に変化するときに強く現われる。

【仮現運動apparent movement】 異なる場所にある二つの静止対象を,適切な短い時間間隔で交互に呈示すると,一つの対象が移動するような運動が見える。この仮現運動を利用した例は,テレビと映画である。また,馬車などの大きな車輪が現われる映画では,時折乗り物が進んでいく方向とは逆向きに車輪が回転して見える回転錯視wagon wheel effectを観察できる。映画が普及する以前に回転盤に一連の動作を描き,スリットを通して1コマずつ絵を見る玩具である驚き盤stroboscopeというものがあった。そのためこの種の仮現運動を驚き盤運動stroboscopic movementとよび,ベータ運動β-movementとよぶこともある。われわれの住む環境には,テレビはもとより踏切で交互に点滅するために動いて見える赤信号や駐車場を示す点滅する矢印などベータ運動がたくさんある。

 仮現運動では,ある時間間隔では実際の運動と区別がつかないほど明瞭な運動印象(ファイ現象φ phenomenon)が生じる。多くの研究がファイ現象の刺激条件を調べている。2対象の時間間隔が,最適間隔から少しずれると,トンネルをくぐり抜けるような印象(トンネル現象tunnel phenomenon),運動感覚はあるが対象が明瞭に知覚されない印象(純粋ファイ現象pure φ phenomenon)などが生じる。見かけの運動ファイを引き起こす2対象間の距離を,2対象の呈示時間と間隔を合わせた時間を,対象の刺激強度をとすると,ファイ現象が成立する変数間の関係をと表わすことができる。これをコルテの法則Korte's lawという。たとえば2対象の空間距離が増大すると,最適なファイ現象を得るためには,を長くしなければならない。この法則は,厳密な数量的関数ではなく,変数間の一般的傾向を示すにすぎない。その後の研究は,この関数式に含まれる変数が,物理量ではなく心理量(現象的見かけの変化)であろうと示唆している。

 仮現運動には,ベータ運動以外の運動もある。ミュラー・リヤー図形の外向矢羽根と内向羽根を交互に呈示すると,矢羽根のベータ運動に加えて,ミュラー・リヤー図形の主線の伸縮運動が見られる。この伸縮運動はアルファ運動α-movementとよばれる。そのほか,単一対象が出現・消失するときに生じる膨張収縮運動(ガンマ運動γ-movement),ベータ運動の条件で2番目に呈示される対象が大きな刺激強度をもつと,2番目の対象から1番目の対象に向かう逆向きの運動が現われる(デルタ運動δ-movement)ことなどが知られている。

 仮現運動の中でも比較的近年盛んに研究されているのが,ランダムドットを使った運動視と2次運動second-order motionである。ランダムドット・キネマトグラムrandom dot kinematogram(RDK)は,ランダムドット・シネマトグラムrandom dot cinematogram(RDC)ともよばれる。1970年代から,ランダムドット・パターンを刺激として使った運動知覚の実験が盛んになった。ランダムドット・パターンを1パターンだけ見ると,そこに特定の形を知覚できないが,ある形を作るように成分ドットの一部分の相対的位置をずらして,元のパターンと変化したパターンを交互に呈示すると,特定の形とその運動が知覚される。これがランダムドット・キネマトグラムである。少数の光点や図形を刺激に使った仮現運動に比べると,ランダムドット・キネマトグラムでは運動の知覚が成立するための時間間隔と空間間隔が短いことが特徴である。そのため,ランダムドット・キネマトグラムによる仮現運動を短距離運動short-range motionとよび,従来の少数光点もしくはパターン図形を刺激に使った仮現運動を長距離運動long-range motionとよんで区別することがある。長距離運動では,2対象が異なる眼に呈示されても運動が見られるが,ランダムドットを使った短距離運動では,同じ眼に呈示されないと運動が見られない。また,長距離運動は色コントラストにより定義された刺激でも運動が見られるが,短距離運動では色コントラストにより定義された刺激では運動が見られない。これらのことから,2種類の運動の背後に異なる運動メカニズムを仮定する理論が提唱されている。これに対して,1次運動と2次運動という分類の方が,長距離運動と短距離運動という分類より適切であるという考えもある。

 2次運動second-order motionとは,刺激がコントラストやテクスチャーなどの2次統計量の違いを検出する運動を指し,刺激が輝度変調の縞パターンのような1次統計量である1次運動first-order motionと対比される(図3)。1次運動の場合は,運動する成分は空間周波数であるためフーリエ運動刺激とよび,2次運動の場合は,運動に対応するフーリエ成分がないため非フーリエ運動刺激とよぶことがある。1次運動と2次運動に対しては,異なる運動処理メカニズムが仮定されている。

 ランダムドットを使った運動視に,運動透明視motion transparencyがある。異なる方向に動く2組のランダムドット・パターンを重ね合わせて呈示すると,各運動方向に移動するドットが含まれる透明な2平面の動きが見える(図4)。ランダムドット・パターンの代わりに,空間周波数が異なる正弦波縞パターンを大きな方向差をつけて呈示し,縞の方向と垂直に動かす場合も運動透明視が生じる。運動透明視は,運動から空間構造が復元される一例である。

【運動残効motion aftereffect】 運動残像movement afterimageともいう。同じ方向に運動する物体や映像を見つづけた後で周囲の静止している物体に目を向けると,その物自体は物理的に止まっているのに,あたかも動いているように見える。たとえば,滝の水が落ちるのをしばらく眺めた後に周囲の景色に眼をやると,周囲の景色がいっせいに上昇するように感じられる。このような錯覚は滝の錯視waterfall illusion とよばれる。滝の錯視は,現在多くの場合,コンピュータスクリーン上で縞パターンを縞と垂直の方向に等速で移動させたり,ランダムドット・パターンを移動させたりして実験室でも観測される。また,渦巻き模様が描かれている円盤を1方向に回転させ,しばらく見つめてから円盤を停止すると,渦巻き模様が逆方向に縮小あるいは拡大する渦巻き残像spiral after-imageが観察される(図5)。運動残効は奥行き方向にも現われる。たとえば電車の最後部に乗り,後方に流れる景色を眺めていると,電車が停車したときに後方の景色が迫ってくるように見えることがある。このような残効は,奥行き運動残効depth motion aftereffectとよばれる。滝の錯視が起こるとき,景色内に見える物は上昇しているように感じられるが,物体の位置は変化しない。また渦巻き残像では,渦巻き模様が拡大や縮小のように感じられるにもかかわらず,円盤の大きさの知覚には変化は伴わない。このような現象が起こるのは,運動の知覚に速度を知覚するシステムと位置を知覚するシステムがある程度独立して関与しているためである。

 そのほかによく知られている運動現象に,誘導運動,自動運動,オプティカル・フローによる運動視がある。誘導運動induced movementとは,客観的に動いている物体と静止している物体がある場合に,本来は静止しているはずの物体に対して運動が知覚される現象である。このような運動の知覚は,移動している物体と静止している物体の関係性が逆転した運動印象によって生じる。誘導運動は,運動と静止の関係にある両者が何であるかによって,対象間の誘導運動,自分の体と対象間の誘導運動,身体部位間の誘導運動の三つに大別できる。たとえば月が雲に囲まれると,雲が止まって月が逆向きに動いて見えることがある。このような誘導運動では,対象間にきわめて遅い速さの相対運動が生じているため,運動の枠組み(雲)の中にある対象(月)が誘導される。橋の上から,緩やかに流れる川面を眺めていると,急に自分自身が川上へとさかのぼっていくように感じることがある。このような誘導運動は,自分の体と対象間の誘導運動とよばれる。床から足を離して回転椅子に座り,片腕を机の上に置いた状態で目を閉じたまま,だれかに椅子を左右に回転してもらうと,腕が前後に動いているように感じることがある。われわれは自己の頭頂部を中心軸として,それを取り囲むような身体像をもっている。そのため中心軸に近い身体の部位では静止を感じやすく,中心軸から遠い身体の部位では運動を感じやすい。このような誘導運動は,身体部位間の誘導運動とよばれる。自動運動autokinetic effectとは,暗室内で1個の静止光点を凝視しているときに,この光点がさまざまな方向へランダムに動いて見える現象である。運動までの潜時,方向,速さ,移動範囲が刺激条件によって大きく変動するばかりでなく,個人差も大きい。静止した背景空間の枠組みがないときに起こりやすい。

 オプティカル・フローoptical flowとは,運動に伴って網膜に投射された流動パターンを指す。われわれが普段動いているとき,われわれの網膜には目の前にある物体の運動や速度の流れを示す流動パターンが生じている。たとえば,無数の点が描かれている壁に向かって前進したとき,オプティカル・フローのパターンは放射状の拡散パターンとなり,拡散の程度は中心から離れるにつれて大きくなる。この場合,オプティカル・フローの中心が自分の運動の向きとなる。視覚におけるオプティカル・フローを重要視したギブソンGibson,J.J.(1979)は,オプティカル・フローを用いることで,自分の運動の方向や速度を直接的に知覚することができると考えた。オプティカル・フローでは,接近する速度によって,単位時間当たりの拡大率が変化する。接近する速度が速いほどパターンの拡大率は大きくなり,速度が遅いほどパターンの拡大率は小さくなる。そのため,オプティカル・フローのパターンの拡大率に注目すれば,相対的な運動の速度や向きが知覚できる。

 網膜の中心から別のある1点までの距離と速度の比をタウ関数tau function,τ functionという。ある一定の速度で前進している対象物に後方の物体が衝突するまでに要する時間(接触時間)を推測する場合,後方の物体が一定速度で接近するという条件下ではあるものの,タウ関数が接触時間と比例関係にあることを利用して,タウ関数から物体の接触時間を予測することができる。また,タウ関数の逆数はオプティカル・フローの拡大率に近似する。このことを利用して,視覚システムはオプティカル・フローの拡大率から接触時間を予測することができる。

【運動知覚の生理的基盤】 網膜の神経節細胞から外側膝状体lateral geniculate bodyを経由して,大脳後頭葉にある視覚皮質visual cortexに投射される神経経路は,マグノ細胞系magnocellular systemとパーボ細胞系parvocellular systemに大きく分けられる。マグノ細胞系はパーボ細胞系よりも刺激の変化に対する反応が速く,受容野が大きいという特徴をもつ。このような特徴から,マグノ細胞系は運動の検出に適していると考えられている。視覚皮質では運動知覚に関与する細胞が大脳の視覚第1野(V1)および第5野(V5。あるいは後述のMT野)から見つかっている。運動検出細胞の回路を簡略に説明するのが,ライカートの検出器Reichardt's detectorの原理である。ライカートの検出器とは,ライカートReichardt,W.(1961)によって提案された運動の方向と速さを検出する神経回路のモデルである。これは網膜上の離れた位置に与えられる光の入力に反応する2群の細胞と,その信号を乗算的にまとめる細胞,および信号伝達に時間遅れを作り出す細胞から成る(図6)。入力細胞間の距離と時間遅れ細胞がどちらの入力細胞から信号を受け取るかを変えることにより,この単純な回路は対象のさまざまな運動方向と速さを検出できる。ライカートの検出器は,運動知覚における神経情報処理の最初の段階と考えられ,この機能をもつ細胞がウサギの網膜,ネコとサルの視覚第1野(V1)において発見されている。

 視覚第1野(V1)と視覚第2野(V2)の細胞は,MT野middle temporal area(mediotemporal cortexともよぶ)に信号を送る。MT野という用語は,ヒト以外の霊長類の脳に使われ,ヒトの視覚第5野(V5)に対応する。後頭葉,側頭葉,頭頂葉が接する付近の表面にある外線条野の一部であり,主としてV1にある特定方向の動きを検出するマグノ細胞から送られる局所運動信号を,大局的に統合する機能を担う。MT野の細胞はV1の受容野より数倍あるいは数十倍大きい受容野をもち,実質的にすべての細胞が方向選択的反応を示す。MT野の細胞の中には,異なる方向の運動に反応するV1細胞から入力を受け取る細胞があり,対象の局所的方向ではなく対象全体の大局的運動方向を検出する。また,サルのMT野で,形や大きさから独立した運動方向検出細胞が見つかっている。これも全体的運動を検出する神経生理学的基盤である。

【他の感覚様相における運動の知覚】 ⑴触覚における運動の知覚 触覚の仮現運動が詳しく調べられている。2点間の距離については,人差し指の表側と手のひらの親指側のふくらみ部を対象として,二つの離れた位置に先端が丸くなった触針(1mm程度)により振動刺激を時間間隔を変えて与えたところ,2点間の距離が大きくなると仮現運動の出現頻度が低下した。また,仮現運動を引き起こす刺激呈示タイミングのずれstimulus onset asynchrony(SOA)の最適値は,刺激呈示時間に従って増大した。

⑵身体の平衡感覚と運動の知覚 内耳前庭系vestibular systemは,脳幹にある前庭神経核vestibular nucleusに人の身体の姿勢に関する情報を伝える。内耳前庭系から送られる信号は,視覚情報と統合され,自己の運動と環境内の対象の運動に関する知覚を生み出す。視覚情報と前庭感覚情報の間に不一致があると,船酔いmotion sicknessを経験することがある。むかし遊園地には,回転する家というものがあった。人が中に入りドアを閉めベンチに座ると,部屋は前後にゆっくり揺れる。ところが,部屋の床と天井,側壁は完全に回転しつづける。そのため中にいる人は,自分がさかさまに回転する錯覚を経験する。これは自己誘導運動であり,ベクションvectionとよばれ,視覚系と身体の平衡感覚系が相互に作用して現われる。日常生活では,電車に乗って隣に停車している電車がゆっくり動き出すと,自分の電車が動き出したような錯覚がこの種の誘導運動である。

⑶聴覚における運動の知覚 聴覚については,視覚との相互作用が調べられている。たとえば,奥行き方向の運動残効が生じる視覚刺激を呈示して,同時に音の刺激を呈示すると,奥行き運動残効に一致して音の大きさが変化して聞こえる。反対に,視覚刺激の運動の見え方が音の影響を受けることもある。二つの円盤がスクリーンの左右から中央に向かって動き,中央で交差してから左右の端まで動く刺激を見せると,多くの場合,同じような知覚が生じる。ところが,二つの円盤が交差する瞬間に短い音を聞かせると,二つの円盤は反発して見える。このように運動の知覚は感覚統合のよい例である。 →錯覚 →皮膚感覚
〔阿久津 洋巳〕

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