近思録崩れ(読み)きんしろくくずれ

改訂新版 世界大百科事典 「近思録崩れ」の意味・わかりやすい解説

近思録崩れ (きんしろくくずれ)

江戸時代後期,薩摩藩の事件。1787年(天明7)斉宣が島津家27代の封をついだが,前代重豪(しげひで)の開化進取政策により財政破局に向かっていた。斉宣は1807年(文化4)近思録派(《近思録》を愛読し,実践を重んずる党派)を起用し,徹底的な緊縮政策を実施し,重豪の新規政策をことごとく破却した。激怒した重豪は翌08年樺山・秩父ら50人ばかりの党類切腹,遠島,寺入りを命じ,斉宣を隠居させて孫の斉興に襲封させた。
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