農道空港(読み)のうどうくうこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「農道空港」の意味・わかりやすい解説

農道空港
のうどうくうこう

農道を使って小型機を離着陸させる空港農林水産省が主導するもので、正式には農道離着陸場という。直線距離920メートル、幅60メートルの農道を建設し、滑走路と管理棟を設ける。飛行機が離着陸しないときは人や車が通れる。1991年(平成3)10月に岡山県笠岡市に誕生したのに続き、1992年には大分県大野町(現豊後大野市)、北海道新得町にも完成、その後も全国数か所で事業化が進められ、新鮮な野菜や花を産地から消費地へ空輸するフライト農業を進めるものとして期待された。しかしコスト高が壁となって、年間の運航回数はどこも30~50回程度。採算がとれず経営も行き詰まり、すでに開港したところも含め、事業の見直しが行われている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例