軽量骨材(読み)けいりょうこつざい(英語表記)lightweight aggregate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軽量骨材」の意味・わかりやすい解説

軽量骨材
けいりょうこつざい
lightweight aggregate

コンクリートの骨材のうち,比重が軽く (絶乾比重が 2.0以下) ,軽量化の要求にこたえられるものの総称。天然軽量骨材,人工軽量骨材,軽量骨材用廃棄物やその副産物などがある。天然軽量骨材は主として火山噴火に伴って噴出した軽石火山礫などで,日本にもかなりの埋蔵量がある。人工軽量骨材は,頁 (けつ) 岩を高温で焼いて膨張させるとか,フライアッシュ造粒して焼成,あるいは蛭 (ひる) 石を加熱膨張させることによって得られる。これらの一部は断熱材などにも利用される。人工軽量骨材は比較的高価であるが,天然軽量骨材に比して品質が安定しており,吸水性の小さいことが特徴で,発展性のある建材供給源として注目されている。軽量骨材を用いたコンクリートは,輸送費の軽減,軽量化に伴う鉄筋鉄骨の節約,高層化が可能になるための土地の節約などを考えると総合的な建築の効率化に役立つといわれている。

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世界大百科事典(旧版)内の軽量骨材の言及

【骨材】より

…所要の品質のコンクリートを経済的に得るため,一般に骨材に必要とされる性質として,硬くて強固であること,重量が適度であること,物理的に安定で耐久性が大きいこと,粒形が立方体または球に近いこと,大小の粒の混合状態が適当であること,清浄で有害物を一定量以上含まないことなどがあげられる。骨材は,粒の大きさにより細骨材と粗骨材に(コンクリート用骨材では5mmふるいを通るか否かで区分するが,実用上は10mmふるいをすべて通り5mmふるいを重量で85%以上通るものを細骨材,5mmふるいに重量で85%以上とどまるものを粗骨材としている),産状ならびに製法によって天然に産するものをほとんど加工せずにそのまま用いる天然骨材と岩石や粘土あるいは産業副産物を加工した人工骨材に,また比重の大小により軽量骨材,普通骨材,重量骨材に分類される。最近では川砂,川砂利など良質の天然河川骨材が枯渇しているため,天然の岩石あるいは溶鉱炉から出る高炉スラグなどの産業副産物を機械的に砕いた人工骨材の使用量が増えている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」