踊郷(読み)おどりごう

日本歴史地名大系 「踊郷」の解説

踊郷
おどりごう

鹿児島藩の近世外城の一つ。桑原くわはら郡に所属し、同郡東部に位置する。現牧園町宿窪田しゆくくぼた踊城跡があり、「三国名勝図会」は「土人の伝へに、昔日敵軍来り攻めし事ありしに、陥ることあたはず、城中要害堅固なるを恃み、金鼓を鳴らし、舞躍をなして楽み居たり、是より踊城といひしとぞ」と踊の呼称の由来を記し、横川氏・税所氏・北郷氏・北原氏などが支配したとしている。

上井覚兼日記」天正三年(一五七五)一一月二五日条によると、同日月次の連歌が催された時、踊からの調者が参加している。同書同四年八月一八日条では、日向高原たかはる(現宮崎県高原町)攻めの際の島津義弘軍勢のなかに踊衆がみえる。同八年の肥後合戦陣立日記(旧記雑録)には、踊城・三代堂さんたいどう城、日当山ひなたやま(現隼人町)地頭として肝付備前の名がある。「上井覚兼日記」同一一年一〇月七日条には、肥後堅志田かたしだ(現熊本県中央町)攻めの時の島津以久らの手勢に踊衆がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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