(読み)すかす

精選版 日本国語大辞典 「賺」の意味・読み・例文・類語

すか・す【賺】

[1] 〘他サ五(四)〙 相手の心の中にうまく働きかけて、警戒心緊張を解き、こちらの思うつぼにはめる。
① あおりたてて誘う。うまく相手の気持をそそる。おだてる。
源氏(1001‐14頃)帚木「残りを言はせむとて、さてさて、をかしかりける女かなと、すかい給を」
② 言いくるめてだます。だまし誘う。
大和(947‐957頃)御巫本附載「いかなる人のすかすならんとつつましかりければ」
③ なぐさめて、気持を変えるようにする。なだめる。機嫌をとる。
※源氏(1001‐14頃)早蕨「語らひ給ふ御様のをかしきに、すかされたてまつりて、〈略〉少しづつかたり聞え給ふぞ」
談義本・教訓雑長持(1752)二「啼(なき)わめく子共を、すかしなぐさめ」
[2] 〘他サ下二〙 (一)に同じ。
平中(965頃)三六「もし、こもりゐて、すかする人もこそあれ、と思ひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android