貴辺(読み)キヘン

デジタル大辞泉 「貴辺」の意味・読み・例文・類語

き‐へん【貴辺】

[代]二人称人代名詞相手を敬って呼ぶ語。貴殿御辺ごへん
主上を始めまろも―も父ならずや」〈浄・用明天王

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「貴辺」の意味・読み・例文・類語

き‐へん【貴辺】

〘代名〙 対称。相手を敬っていう。貴殿。御辺(ごへん)
※日蓮遺文‐椎地四郎殿御書(1261)「貴辺すでに俗也、善男子の人なるべし」
滑稽本・人心覗機関後編(1848)中「若、貴辺(キヘン)叛逆の心をさしはさみ、〈略〉一度にどっと突いて出るも」
[語誌](1)中世から用いられ、挙例の滑稽本「人心覗機関後編」にも武家の言葉として用いられており、江戸後期まで使われていたと思われる。
(2)「ロドリゲス日本大文典」には書き言葉か荘重な話し言葉に用いられるとあり、公式的な語であったことがわかる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android