用明天王職人鑑(読み)ヨウメイテンノウショクニンカガミ

デジタル大辞泉 「用明天王職人鑑」の意味・読み・例文・類語

ようめいてんのうしょくにんかがみ〔ヨウメイテンワウシヨクニンかがみ〕【用明天王職人鑑】

浄瑠璃時代物。五段。近松門左衛門作。宝永2年(1705)大坂竹本座初演。出語り・出遣い方式や、からくり応用の舞台機構が当時評判となった。

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改訂新版 世界大百科事典 「用明天王職人鑑」の意味・わかりやすい解説

用明天王職人鑑 (ようめいてんのうしょくにんかがみ)

義太夫節の曲名。時代物近松門左衛門作。1705年(宝永2)11月大坂竹本座初演。5段。仏法を日本に流布させた聖徳太子の伝説を中心に,能の《道成寺》,幸若舞曲の《烏帽子折(えぼしおり)》などの趣向をとり入れている。敏達天皇の御世,同腹の皇弟山彦皇子は外道を信じ,仏法を信じる異腹の弟花人親王(のちの用明天皇)と法力比べの末に敗れた。山彦は配下の道士益良(ますら)を使って王位を奪おうとし,花人やその恋人豊後真野(まの)長者の娘玉世らの命をねらう。花人は佐渡に逃れ,のち播州高砂浦の鐘供養の場で,真野長者に見いだされ,山路(さんろ)と名を改め,草苅童となって豊後に下る。山路の子を身ごもった玉世は継母に憎まれ,堕胎させられようとするが,仏力の奇瑞で聖徳太子が誕生,山彦一派の外道は滅びる。初世竹田出雲が竹本座の座本に迎えられた第1作で,からくり応用のスペクタクル性に特色がある。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「用明天王職人鑑」の解説

用明天王職人鑑
ようめいてんのう しょくにんかがみ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
作者
近松門左衛門(1代)
初演
寛政1.10(大坂・中山座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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