貞次(初代)(読み)さだつぐ

朝日日本歴史人物事典 「貞次(初代)」の解説

貞次(初代)

生年生没年不詳
鎌倉前期の備中(岡山県)青江派刀工。後鳥羽上皇御番鍛冶のひとりで,承元(1207~11)ごろの人。年号を記す貞次の作は南北朝時代に多く,康暦2(1380)年銘の太刀下限とする。その間,何代かがあったとみられる。初代作とみられるのが対馬宗家伝来の太刀(国宝)であり,小板目が肌立った鍛えに直刃を焼きこの派の典型的な作風を示す。鎌倉時代の作には逆丁字乱れの刃文があり,南北朝時代には単調な直刃が多い。青江派のなかで最も著名な刀工で,磨上げ無銘の作で優れたものは貞次作とされることが多い。<参考文献>東京国立博物館編『備中青江の名刀

(原田一敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android