豊竹嶋太夫(読み)とよたけ しまたゆう

知恵蔵mini 「豊竹嶋太夫」の解説

豊竹嶋太夫

人形浄瑠璃文楽太夫。1932年3月7日、愛媛県生まれ。48年、三世豊竹呂太夫(後の十世豊竹若太夫)に入門し、二世豊竹呂賀太夫を名乗る。54年、四世豊竹呂太夫を襲名したが、55年に退座。68年に三世竹本春子太夫門下として復帰し、八世豊竹嶋太夫を襲名。69年、四世竹本越太夫門下となった。94年には重要な場を語る太夫に与えられる最高格「切場(きりば)語り」となる。華麗な芸風で、男女の恋愛を主題とした世話物や歌謡的な節をともなう景事(けいごと)を得意とした。織田作之助原作の新作文楽「夫婦善哉(めおとぜんざい)」では独自の境地開拓。2002年には北野武監督の映画「Dolls(ドールズ)」にも出演した。1994年に芸術選奨文部大臣賞、95年に紫綬褒章、2008年に旭日小綬章を受けている。15年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、16年の舞台「関取千両幟(のぼり)」を最後に現役を引退。20年8月20日、88歳で死去した。

(2020-8-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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