言切(読み)いいきる

精選版 日本国語大辞典 「言切」の意味・読み・例文・類語

いい‐き・る いひ‥【言切】

〘他ラ五(四)〙
(イ) 言い終わる。最後まで言う。
※八雲一言記(13C前)「和歌は五句、句ごとにいひきりて、しかも句々相連して言葉きこえてあるを、可秀逸也」
(ロ) 文法で、文を終止する。
※中等文法(1943‐44)〈文部省〉一「(三)の『泳ぐ』『受ける』は、言ひ切る時に用ひる形で、これを終止形といふ」
② はっきり口に出して言う。断言する。言ってのける。言いきわめる。
※虎明本狂言・節分(室町末‐近世初)「こふか小二郎、こまひか小二郎、いひきれ小二郎」
③ 言い放しにする。言ったままにしておく。
④ 言ったとおりにする。約束を果たす。
※虎清本狂言・泣尼(室町末‐近世初)「せんどかたらうておいて、くれまいか。わばうず、いひきれいひきれ」
⑤ きっぱり言って相手との関係を断つ。はっきり断わる。
源氏(1001‐14頃)浮舟「右近いひきりつるよし、言ひたるに」

いい‐きり いひ‥【言切】

〘名〙 言い切ること。文などの終止をいう。
※中等文法(1943‐44)〈文部省〉一「(五)の『静かだ』『丈夫だ』は、言ひ切りになる時の形で、終止形といふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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