西田利貞(読み)にしだとしさだ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西田利貞」の意味・わかりやすい解説

西田利貞
にしだとしさだ

[生]1941.3.3. 千葉
[没]2011.6.7. 京都
動物学者,日本モンキーセンター所長。野生チンパンジー研究の第一人者として知られた。京都大学理学部動物学科を経て同大学院に進み,1969年に理学博士号取得。伊谷純一郎に師事し,霊長類生態学の研究に携わる。1965年からタンザニアのマハレ山塊に長期滞在して野生チンパンジーの生態研究を始めた。個体識別によって,チンパンジーが父系社会であること,雌がほかの集団に嫁ぎ集団間を移動することなど,人間に近い高度な社会性をもつことを世界にさきがけて解明した。東京大学助教授を経て 1988年に京都大学教授。2004年からは日本モンキーセンター所長を務め,大型類人猿保全に尽力した。国際霊長類学会や日本霊長類学会の会長を歴任。1990年にジェーン・グドール賞,2008年に日本人で初めて人類学のノーベル賞といわれるリーキー賞を受賞。同 2008年に国際霊長類学会の生涯功労賞も受けた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android