表千家不審庵(読み)おもてせんけふしんあん

日本歴史地名大系 「表千家不審庵」の解説

表千家不審庵
おもてせんけふしんあん

[現在地名]上京区本法寺前町

町の東域に位置し、小川おがわ通に西面して門を開く。茶道表千家流家元の茶亭。北隣に裏千家流今日こんにち庵がある。

千利休の継子少庵宗淳が豊臣秀吉より千家再興を許され、当地を拝領し、この地に利休遺跡の「不審庵」(深三畳台目)と「残月亭」(色付九間書院)を復興したのを初めとする。この地は少庵の子宗旦に譲られ、正保三年(一六四六)その子宗左が継いだ。不審庵は邸内に建てられた茶席の一であるが、表千家流やその邸すべてをさしても用いる。不審庵は最初深三畳台目であったのを宗旦の時に一畳半に改められ、宗旦の隠居後、宗左によって平三畳台目に復され、表千家の基礎が確立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報