融通寺(読み)ゆつうじ

日本歴史地名大系 「融通寺」の解説

融通寺
ゆつうじ

[現在地名]会津若松市大町二丁目

おお町の西側、弥勒みろく寺の北にある。自然山浄縁院と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。承徳元年(一〇九七)融通念仏の開祖良忍の弟子浄縁が、河沼郡冬木沢ふゆきざわ(現河東町)の東の山中当寺を建てた(会津旧事雑考)。至徳元年(一三八四)領主蘆名直盛が館から東黒川ひがしくろかわ館に移ったので、小館を当寺の融海に与えた。融通寺町町名の由来である。文禄元年(一五九二)蒲生氏郷が城下町若松を改造したとき、大町の現在地に移転した。小館には現在小館稲荷神社がある。寺宝に慶長九年(一六〇四)陽成天皇より賜った木造扁額があり、県指定重要文化財。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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