融通念仏(読み)ゆずうねんぶつ

精選版 日本国語大辞典 「融通念仏」の意味・読み・例文・類語

ゆずう‐ねんぶつ ユヅウ‥【融通念仏】

古今著聞集(1254)二「我遂本意、在上品上生。偏に融通念仏の力也」

ゆうずう‐ねんぶつ ユウヅウ‥【融通念仏】

〘名〙 仏語良忍が開いた融通念仏宗で唱える念仏。自他の唱える念仏がとけあうと説くもの。また、融通念仏宗の略称円融念仏大念仏。ゆずうねんぶつ。
[補注]古辞書などには、「ゆずうねんぶつ」とあるので、用例はその項に収めた。

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デジタル大辞泉 「融通念仏」の意味・読み・例文・類語

ゆうずう‐ねんぶつ〔ユウヅウ‐〕【融通念仏】

融通念仏宗で唱える念仏。自他の唱えるものが互いに融通し合うという念仏。円融念仏。大念仏。

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旺文社日本史事典 三訂版 「融通念仏」の解説

融通念仏
ゆうずうねんぶつ

平安末期,天台僧良忍によって始められた念仏
自己の念仏と他人の念仏が融通しあって,一人の念仏が万人を往生させると説く。室町時代法明良尊江戸時代大通融観が出て隆盛し,朝廷幕府にも帰依者が多く出た。

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世界大百科事典(旧版)内の融通念仏の言及

【融通念仏宗】より

良忍(1073‐1132)を開祖とし,その念仏思想たる融通念仏を信奉する宗派。大念仏宗などともいう。…

※「融通念仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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