蘆浦村(読み)あしうらむら

日本歴史地名大系 「蘆浦村」の解説

蘆浦村
あしうらむら

[現在地名]草津市芦浦町あしうらちよう

長束なつか村の西、片岡かたおか村の北に位置。集落は観音寺を中心に北寄りに位置。中央南寄りを志那しな街道が通る。「日本書紀」安閑天皇二年五月条に「葦浦屯倉」とみえる。永禄一一年(一五六八)六月日の織田信長判物(芦浦観音寺文書、以下同文書は省略)によれば、「あしき三郷」の没収地と給人のいない土地は観音寺に与えるとし、年貢などの納入を命じている。天正一〇年(一五八二)一〇月六日の丹羽長秀宛行状では蘆浦四七〇石、翌一一年八月一日の羽柴秀吉宛行状では四一七石が観音寺領となった。同一九年の検地帳写によれば高五四一石余、名請人数二三〇。

蘆浦村
よしがうらむら

[現在地名]美津島町芦浦よしがうら

鴨居瀬かもぜ村の北、小船越こふなこし村の北東にあり、深く湾曲した入江がある。「津島紀略」では与志宇羅と訓じ、村隅の浜峡谷はまのさえ(波麻乃左江)は古くは海湊であったという(津島紀事)。浦の沿岸に弥生時代の壺棺があった寺越てらごし洞窟や古墳時代の石棺群があった海落みおて遺跡のほか、多くの遺跡がある。「海東諸国紀」に「要時浦十余戸」とあるのが当地に比定される。塩土老翁を祀る乙宮おとみや神社(塩竈社とも)があり、村の始まりは塩焚きであったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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